製造業の事業所では、送風機が多く設置されています。送風機は消費電力が大きく、この消費電力を下げることが省エネルギー化に繋がります。
まずは、消費電力の算出方法を理解する必要があります。
この記事では送風機の軸動力の算出方法について解説したいと思います。
送風機 軸動力の算出方法
軸動力[kW]の算出方法は、上式の通りです。
風量、静圧、送風機の効率がわかれば、軸動力を算出することができます。
この風量は、ノルマルリューべ[Nm3/min]ではなく、アクチュアルリューべ[m3/min]を用いることに注意が必要です。
送風機の効率は、効率値があればその値を用いるのがベストです。ただし、わからない場合は、おおよその値を仮定して計算することがあります。
送風機の効率は60〜70%程度と仮定して算出することが多いです。
送風機 モータ効率
モータ効率とは
モータの出力動力がどれだけ風量や圧力に変換されたかを示す値です。
この効率が悪ければ、モータ出力を上げても風量や圧力は上がりにくいことを示します。
モータ効率の確認方法
モータ効率を正しく確認する方法は性能曲線を使用すると良いです。
性能曲線で運転点を見つけると、効率という値がプロットされていますので、確認することが可能です。
性能曲線に関する記事は別の内容で解説しています。
送風機の回転数と風量、圧力、動力の関係
送風機の回転数によって、性能が変化します。
この関係性は、送風機の知識の中でも非常に大事な知識ですので、覚えておくと役に立ちます。
風量は回転数に比例します。圧力は回転数の2乗に比例します。動力は回転数の3乗に比例します。
回転数と風量の関係
Q2 = Q1 × N2/N1 [m3/min]
もとの風量がわかっていれば、送風機の回転数増減によりN2 のときの風量を計算することができます。
回転数と圧力の関係
P2 = P1 × (N2/N1 )2 [kPa]
もとの圧力がわかっていれば、送風機の回転数増減によりN2 のときの圧力を計算することができます。
回転数と動力の関係
L2 = L1 × (N2/N1 )3 [kW]
もとの動力がわかっていれば、送風機の回転数増減によりN3 のときの動力を計算することができます。
まとめ
送風機の軸動力は、風量、静圧、送風機の効率がわかれば算出可能です。
風量は回転数に比例します。圧力は回転数の2乗に比例します。動力は回転数の3乗に比例します。
以上/猫リーマン