技術

【送風機(ファン)】性能曲線とは何?|見方と活用方法を徹底解説!

こんにちは。猫リーマンです。

本日は送風機(ファン)の性能曲線について解説したいと思います。

製造業では送風機(ファン)が設置されている事業所も多いです。ただ、どういったものを送風機(ファン)と呼ぶのかがわからない方も多いのではないでしょうか?

また、性能曲線という言葉も良く耳にします。しかし、この性能曲線の意味や活用方法が良くわからないという話を聞きます。

よって、性能曲線とは何か、どのように使えば良いのかを解説します。

送風機(ファン)とは

Image from Gyazo

送風機(ファン)は、日常で使用する扇風機もファンに分類されます。自分達が使用しているものを例に考えるとイメージしやすいと思います。

送風機とは

送風機とは、羽根車の回転運動により気体にエネルギーを与える機械のことを言います。

ファン、ブロア、コンプレッサの違い

送風機の中には、ファン、ブロア、コンプレッサといった種類があります。

技術マン

圧力比によって分類されています!

簡単に言うと、強さによって分類しています。

圧力比は、送風機の入口P1と出口P2の比です。

圧力比=P2/P1 となります。

ファン

ファンは、圧力比 1.1未満のものを言います。この三つの中では最も弱いものに分類されます。

例えば、送風機の入口圧力が1.0kPaと仮定した場合、出口圧力は1.1kPa未満のものを言います。

ブロア

ブロアは、圧力比が1.1以上、2.0未満のものを言います。この三つの中では真ん中に分類されます。

例えば、送風機の入口圧力が1.0kPaと仮定した場合、出口圧力は1.1kPa以上、2.0kPa未満のものを言います。

コンプレッサ

コンプレッサは、圧力比が2.0以上のものを言います。この三つの中では最も強いものに分類されます。

例えば、送風機の入口圧力が1.0kPaと仮定した場合、出口圧力は2.0kPa以上のものを言います。

性能曲線とは

ポンプ、送風機、圧縮機の性能をグラフ化したものです。

上記の設備を導入したときに、送風試験で得られたデータをグラフ化します。

データは、風量、圧力、効率、軸動力等がグラフ化されています。例えば、正しい風量がよくわからない場合に性能曲線を用いることで実風量を確認することができます。

ピトー菅を使用した風量測定をすることで風量を確認することができますが、測定する位置が悪い場合は正しい風量を測定することができません。

そのため、性能曲線を使って検証することで正しい数値であるか、を確認することが可能です。

Image from Gyazo

一例として、ファンの性能曲線を示します。風量の単位は、m3/min(アクチュアルリューべ)ですので注意が必要です。

上述しましたが、送風試験結果ですので、ある温度で試験されています。

温度が何℃の条件下であったは注意が必要です。温度が変化すると、ボイル・シャルルの法則より風量は変化します。これは、以下の記事で解説しています。

【風量】Nm3(ノルマルリューべ)とm3(アクチュアルリューべ)|相違点と換算方法を徹底解説 こんにちは。猫リーマンです。 本日は風量の単位について解説したいと思います。 風量計算をするときに単位として二つの単位表記...

性能曲線の見方と活用方法

運転点

運転点とは、現在の運転ポイントはどこなのかを示します。

Image from Gyazo

ファンの前にダンパが設置してある場合を想定します。

ダンパを開けることで抵抗が減り、運転点1→運転点2へと動きます。風量は、25→50m3/minに動くことがわかります。

抵抗が減っていますので、圧力損失がなくなることで静圧が低下します。風量は増えますし、ファン動力も増えることになります。

よって、静圧や温度のデータがあれば、この性能曲線を用いて風量を確認することができます。

ピトー管を用いて風量測定を行い、○Nm3/minを温度と圧力換算して、○m3/minに変換します。この値が性能曲線にあてはめたときに正しい数値か、を確認することができます

ちなみに、その換算した温度やガス比重を同じにしておくことが必要です。よって、自分で性能曲線をプロットし、温度およびガス比重で換算したものを作り直すことが必要となります。

抵抗曲線

Image from Gyazo

抵抗曲線とは、上図の青線のことを示します。

運転点1→運転点2になると抵抗曲線が緩やかになっています。これを抵抗がねるという言い方をします。

補足です。上図では、ダンパを開けたときの抵抗曲線を示していますが、もし、ダンパよりも前の抵抗がなくなれば、静圧曲線が下に平行移動します。下図の青線を参照下さい。

Image from Gyazo

まとめ

ファン、ブロア、コンプレッサの違いは圧力比(強さ)で分類されています。

性能曲線は、設備を導入したときに送風試験で得られたデータをグラフ化したものです。

この性能曲線を活用することで、圧力や温度から風量を確認することができます。

是非、見方を理解することで技術的には説得力のある説明をすることができると思いますので、一度勉強してみてはいかがでしょうか。

    【通信教育はこちら】
    【通信教育はこちら】