こんにちは。猫リーマンです。
本日は風量の単位について解説したいと思います。
風量計算をするときに単位として二つの単位表記があります。Nm3(ノルマルリューべ)とm3(アクチュアルリューべ)です。この二つは、製造業では必ず知っておかなければならない違いです。
ノルマルは、英語でnormal。「標準的な」という意味です。
アクチュアルは、英語でactual。「実際の」という意味です。
日本語で言い表すと違いが少しづつ分かってきますが、なぜ分ける必要があるのか、またどのように換算するのか実際に計算方法を示したいと思います。
ボイル・シャルルの法則とは
P1V1/T1 = P2V2/T2 ・・・①
P:圧力
V:体積
T:温度
ボイル・シャルルの法則とは、①式が成り立ちます。
体積は圧力に反比例し、温度に比例します。
つまり、体積は圧力が大きくなれば小さくなります。また、温度が高くなれば大きくなることが分かっています。
Nm3(ノルマルリューべ)とm3(アクチュアルリューべ)の違い
Nm3(ノルマルリューべ)とは
Nm3(ノルマルリューべ)とは、0℃1気圧の標準状態のガス量を言います。1Nm3とは、標準状態(0℃1気圧)に換算した1m3のガス量のことです。上記のボイル・シャルルの法則の通り、圧力や温度が変化すると体積が変化します。
0℃1気圧を基準として考えることで条件を統一しています。
Nm3(ノルマルリューべ)とm3(アクチュアルリューべ)の違い
上図に概略図を示します。
温度が100→200℃に上昇すると、体積は膨張します。これは、上述したボイル・シャルルの法則から説明できます。同じ1Nm3でも体積が異なります。
圧力が変化した場合も体積が変化します。例えば、圧力が上昇すると体積は小さくなります。このように、温度や圧力が変化すると風量が変化するするため、換算しています。
換算式とは
m3(アクチュアルリューべ)をNm3(ノルマルリューべ)への換算式は以下の通りです。
Q[Nm3] = Q'[m3] × 273.15÷(273.15+T) × (101.325+P)÷101.325
T:温度[℃]
P:圧力[kPa]
温度が下か上かで迷う場合があるかと思いますが、上図をイメージするとわかりやすいです。温度が100→200℃に上昇すると、1.7m3(アクチュアルリューべ)に対して、1Nm3(ノルマルリューべ)と小さくなります。
分母が大きくなると、Nm3(ノルマルリューべ)は小さくなります。この関係をイメージすることで換算式を考えてみることをおすすめします。
実際の換算計算
簡単に計算してみます。
風量100m3(アクチュアルリューべ)のガス があります。温度200℃、圧力4.0kPaのときは何Nm3(ノルマルリューべ)か?
Q[Nm3] = 100 × 273.15÷(273.15+200) × (101.325+4.0)÷101.325
= 60Nm3(ノルマルリューべ)
燃焼の風量計算では上記の式を良く使用しますので、一度電卓で計算してみると良いと思います。
まとめ
ボイル・シャルルの法則は理解しておいた方が役に立ちます。体積は圧力に反比例し、温度に比例します。
このため、その時の圧力や温度を補正したガスの風量をNm3(ノルマルリューべ)で表記します。
製造業では、燃焼計算や送風機の風量計算を行う場合に良く使用する考え方ですので、手計算することをおすすめします。