こんにちは。猫リーマンです。
本日は、公害防止管理者試験でも良く出題される項目なのですが、この語句を聞いても良くわからないというあなたに解説したいと思います。
乾燥断熱減率と温位について説明します。
乾燥断熱減率とは何か
乾燥断熱減率とは何でしょうか。
断熱的に上昇した高度でどれだけ温度変化するか、を表したものです。
気温鉛直分布における乾燥断熱減率は、γdと表されます。
-γd = dT/dz = – g/Cp
dT : 温度変化
dz:断熱的に上昇した高度
g:重力加速度
Cp:空気の定圧比熱
登山をしたときに、温度差があることは聞いたことがあると思います。100m高度の山を登った場合、どれくらい温度が下がるのでしょうか?
100m上昇すると気塊の温度は、0.98℃下降します。
ただし、この数値はdryベースですので、水分を加味したwetベースでは数値が小さくなることになります。
温位とは何か
次に温位θについて説明します。
気塊がある高度に存在するとします。この気塊を断熱的に地面付近(1000hPa)に移動させた時の温度のことです。
dθ/dz= γd + dT/dz
安定 : 温位θが上空の方が高い場合
中立:dθ/dz=0
不安定:温位θが上空の方が低い場合
図1に温位と大気安定度の関係について示します。
赤字の不安定の時をイメージしてみましょう。
高度が上がるにつれて、温位が下がっています。これは、常に下の方から温められる状態となり、不安定となります。
まとめ
最後にまとめです。語句の意味は必ず覚えておきましょう。
乾燥断熱減率γdとは、-γd = dT/dz の式です。
高度によりどれだけ温度変化があるかを示す数字です。100m上昇すると気塊の温度は、0.98℃下降することを覚えておきましょう。
次に温位θとは、気塊を断熱的に地面付近(1000hPa)に移動させた時の温度のことを言います。
この2点を必ず覚えておくと良いと思います。
以上/猫リーマン