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【公害防止管理者】資格はどんな人に必要?試験概要や必要性を徹底解説!

こんにちは。猫リーマンです。 私は製造業の技術職を長年続けています。

製造業に携わる方々は、資格取得を会社から推奨されて何となく受験される方も多いのではないでしょうか? 推奨される資格の一つとして、「公害防止管理者」があります。

この資格は国家資格であり、大事な資格と言えます。 大事な時間を費やして勉強するからには、なぜ必要かを理解しておく必要があると思います。

そこで、今回は製造業で働く方や将来働きたい方に向けて試験概要や必要性を解説したいと思います。

公害防止管理者とは

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公害防止管理者とは、国家資格です。戦後の日本では高度経済成長期となりました。この産業の発展の際に様々な公害問題が発生しました。

これは何とかしなければならないということで、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等14の法律が改正又は制定されました。そして、昭和46年に工場内に公害防止に関する専門的知識を有する人的組織の設置を義務付けた「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(法律第107号)」が制定されました。

これから、公害防止管理者制度はスタートしています。

それでは、公害防止管理者が必要な特定工場について説明します。

対象業種

・製造業(物品の加工業を含む)

・電気供給業

・ガス供給業

・熱供給業

上記の業種の中で、以下のいづれかの施設を有している工場に該当します。

該当する設置施設

1.ばい煙発生施設

2.特定粉じん発生施設

3.一般粉じん発生施設

4.汚水等排出施設

5.騒音発生施設

6.振動発生施設

7.ダイオキシン類発生施設

対象業種の中で、上記の1〜7に該当する施設を有する場合は、公害防止組織の設置が義務付けられています。

この資格を有する人がいないと運営できないということになります。

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以下補足です。

常時使用する従業員数が20人以下の特定事業者では、公害防止統括者は不要です。公害防止管理者は、公害発生施設の区分ごとに選任する必要があります。

資格試験の内容と時期

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それでは試験内容と時期についてご紹介します。

資格試験の内容

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引用:一般社団法人産業環境管理環境HP参照

試験の内容は上記表の通りです。

表の数は問題数を示しています。それぞれ試験科目の問題数のうち、60%以上の正解で合格となります。科目合格した場合は、合格年を含めて3年間有効となります。例えば、2021年に合格した科目は、2023年までは免除できます。2024年からは再受験となります。

試験の時期

試験は、毎年一回のみです。10月の第一週の日曜日に行われます。

年に一回しかありませんので、忘れないように申請しましょう。科目合格制度がありますが、この開催頻度の少なさのため勉強したことを忘れてしまうことがあると思います。

計画的な勉強計画が必要となります。

資格試験の難易度

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この試験の難易度についてです。

国家試験は合格するは、とても難しいイメージがありますが合格率はどのくらいなのでしょうか?

合格率は、各区分で20〜30%程度となっています。

非常に厳しい数字となっています。勉強範囲が広いことから、合格が難しいです。勉強なしで合格するのはほぼ不可能に近いと言えます。

ただし、実際にはこの数値は受験申し込み者数に対する合格割合です。

よって、まったく勉強していない人や受験に来なかった人も含まれます。このことを考えれば合格が不可能ということはないと思います。

資格試験の勉強時間

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この資格試験の必要な勉強時間は、100〜150時間は必要と言われています。

仮に100時間と仮定した場合、半年前に勉強をスタートさせても0.6時間/日が必要です。また、三ヶ月前にスタートさせた場合は、1.2時間/日を要することになります。

上記は毎日勉強した場合の数値ですので、仕事で平日忙しい場合は、他の日で補填しなければならないことになります。

この学習時間は、自分の専門分野なのかどうかでも変わってくると思います。

あくまでも平均的な時間として参考にしていただければと思います。

どのような人に必要か

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難易度の高い資格の一つではありますが、どのような人に必要な資格なのでしょうか?

冒頭で「公害防止管理者とは」のところで述べました。

4つの対象業種である製造業(物品の加工業を含む)、電気供給業、ガス供給業、熱供給業のうち、7つの該当する設置施設で働いている方ということになります。公害防止管理者がいなければ、事業所の運用ができないということになります。

また、資格を持っている持っていないに関わらず、勉強する内容は仕事に関連することになります。自分のスキルアップを図りたい方にはおすすめの資格です。また、国家資格を有することにより、事業所が運用可能になりますので、事業所の幹部を目指す方は必要な資格と言えます。

まとめ

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最後にまとめです。上記に述べた大切な内容をまとめると以下の通りです。

・公害防止管理者とは、特定の事業所では有資格者がいないと運用不可

・試験は毎年一回のみで10月の第一週の日曜日

・合格率は、各区分で20〜30%程度

・必要な勉強時間は、100〜150時間は必要

会社から言われて、何となく受験されている方も多いのではないでしょうか。

公害防止管理者とは何かを学んだ上で勉強をスタートすることは、モチベーションアップに繋がるかもしれませんので、何かの参考になれば幸いです。

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猫リーマン

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