技術

【ダウンウォッシュ】とは?着地濃度を下げるにはどうすれば良いか??

製造メーカーの工場には煙突があります。これは何故設置されているのでしょうか?

例えば煙突口から排出された排煙は風の流れにのっていきます。煙突により高いところから排出することで拡散させることで問題のない濃度となります。

排出口の濃度でも問題ないのですが、より拡散させることで安全を確保しているイメージで良いと思います。

この煙突から排出されるものの中で、着地濃度Cmaxダウンウォッシュ、ダウンドラフト、ウォッシュアウトなどの語句の解説をしたいと思います。

また、着地濃度Cmax を下げるにはどうすれば良いかを解説したいと思います。

着地濃度 Cmaxとは

Image from Gyazo

着地濃度Cmax は何かについて解説していきます。

排煙は水平方向や垂直方向に広がっていきますが、地表面に達します。地表面の濃度を着地濃度と言います。 そして、図1に示す通りその着地濃度が最大となる点が「着地濃度Cmax 」です。

また、この時の風下距離をXmaxと言います。

ダウンウォッシュとは

Image from Gyazo

ダウンウォッシュとは何?

煙突の吐出速度が風速より小さい場合にダウンウォッシュは発生します。

煙突の後に渦(黄色丸)を生じる場合があります。この渦に巻き込まれ、地上へ下降することがあります。これをダウンウォッシュと言います。

煙突の頂部で発生するダウンウォッシュはスタックチップダウンウォッシュと呼ばれることがあります。

ダウンドラフトとは何?

また、建物の後に発生する場合をダウンドラフトと呼びます。

この二つの違いをおさえておくことが重要です。

ウォッシュアウトとは何?

ウォッシュアウトとは、言葉の通り「水」のことです。

雨が降り、大気中の汚染物質などが洗い落とされることを言います。

少しややこしいですが、「ウォッシュ=水」と理解しましょう。

ダウンウォッシュを防止する方法

ダウンウォッシュを防止する方法は次の3つが考えられています。

・吐出速度を風速の1.5倍以上にする

・煙突高さを建物の2.5倍以上の高さにする

・煙突につば(拡散させる)をつける

ちなみにですが、吐出速度を上げるということは、煙突の出口径の小さなものや排出ガス量を増やすことと同じです。

煙突を一度設置してしまうと、大規模な工事が必要になってしまいます。設計段階でこのダウンウォッシュについては良く検討する必要があります。

着地濃度 Cmax はどんなときに変動する?

Image from Gyazo

有効煙突高さとは

図3に有効煙突高さに関する図を示します。

排煙は、「運動量上昇による高さ」と「浮力上昇による高さ」で高さが決まります。もちろん、「実煙突高さ」も重要です。この三つの高さの合計が、「有効煙突高さ」です。

着地濃度 Cmax の変動要因

着地濃度 Cmax の変動要因は以下の2つです。

・有効煙突高さ↑⇨Cmax

・鉛直方向の拡散幅↑⇨Cmax

有効煙突高さが高くなると、より拡散されるため、最大濃度は小さくなることがわかります。また、鉛直方向の拡散が大きくなると、地表に落ちやすくなります。そのため、最大濃度は大きくなることがわかります。

煙突から発生した排煙を具体的にイメージしてみましょう。

どのように動くかを覚えるよりもイメージをつかんでおく方が覚えやすいと考えます。

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以上/猫リーマン

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