ボイラーとは、水蒸気をつくりだす設備や装置
燃料(油やガス)を燃やして水を温め、温水や蒸気を作る設備であり、発生した温水や蒸気は、離れた場所に供給されます。
ボイラーは密閉した容器内に水又は熱媒(特殊な油など)を入れ、これを火気、燃焼ガスその他の高温ガス(廃ガス、高炉ガス等)又は電気によって加熱し、圧力のある「蒸気」を作ります。
ボイラー効率とは蒸気に変換する割合の指標
燃料の持つエネルギーが何%蒸気に変換されたかを示す指標です。
ボイラー効率は、入出熱法と熱損失法の2種類があります。ボイラー効率を計算する方法としては、入出熱法や熱損失法(排ガス分析法)があります。また、ボイラー効率は製造メーカーのカタログ等に記載されています。
入出熱法とは
エンタルピーは物質の持っているエネルギーを示します。
例)水の場合のエンタルピーは以下の通りです。
水1kgを1℃あげるのに必要なエネルギーは、4.186kJ
蒸気エンタルピー:その蒸気圧力における熱エネルギー[kJ]
給水エンタルピー:その給水温度における熱エネルギー[kJ]
低位発熱量は真発熱量ともいい、高位発熱量から燃焼ガス中に発生する水蒸気分の蒸発熱を減じた発熱量を示します。
水蒸気分の蒸発熱は一般に利用できず、煙突から排出されることから熱勘定では、低位発熱量を用いることが多いです。
熱損失法とは
入熱:燃料の低位発熱量
損失:排ガス損失+その他の熱損失(ボイラ本体表面から出ていく熱)
インプット燃料→ボイラー→出熱
2つの方法においては、出熱が高いほど効率が高いことを意味します。
方法が2つある理由は、運転状況や設備状況に応じて計測できず誤差が生じる場合があるためです。
排ガス温度やO2濃度を測定することができることから、現在は熱損失法が主に使用されています。
熱損失法によるボイラー効率計算例
以下の通りの条件とします。
入熱:燃料の低位発熱量=40200[kJ/kg-f]
排ガス損失:2773[kJ/kg-f]
その他の損失:800[kJ/kg-f]
fはfuel(燃料)のことを示しますので、1kgの燃料あたりの熱量[kJ]のことです。
ボイラー効率={1-(2773+800)}/ 40200 ×100=91.1%
この場合、91.1%の効率となります。
まとめ
- ボイラーは、燃料を燃やして水を温め、温水や蒸気を作る設備
- ボイラー効率は、燃料の持つエネルギーが何%蒸気に変換されたかを示す指標
- ボイラー効率には入出熱法と熱損失法の2種類ある
- 熱損失法が主に使われている
- 発熱量は燃料の低位発熱量を用いる