送風機(ファン)は温度により軸動力が変化します。これは何故でしょうか?
風量が同じの場合、ガス温度が変化することで圧力や軸動力にどのような影響があるか、解説します。
よく理解していないと性能評価をすることができないので、ここで理解を深めておくと必ず役に立ちます。
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送風機の性能と温度の関係
送風機が吸い込んで吐き出す気体は、絶対温度に比例して膨張します。
温度上昇により、容積が2倍となれば、圧力は1/2となります。
一方、温度が低下した場合、容積が小さくなり逆の現象が起こります。
風量を一定と仮定した場合、気体の温度がt1→t2に上昇したと仮定します。
P2はP1に対し、低下します。
また、L2はL1に対し、低下します。
気体の温度が高い方が軸動力が低い結果となります。
気体温度上昇または比重低下の場合
- 圧力低下
- 軸動力低下
詳しく解説するため、気体温度上昇または比重低下した場合の曲線を示します。
最初の運転点の静圧をPaとします。その時の静圧曲線はF1、抵抗曲線はR1です。
気体温度上昇または比重低下で、
静圧はPa→Pbへと変化します。静圧曲線は、F1→F2へ、抵抗曲線は、R1→R2へと動きます。送風機(ファン)の回転数一定の条件では、40m3/minのままで軸動力が低下します。
気体温度低下または比重上昇の場合
- 圧力上昇
- 軸動力上昇
まとめ
一定のダクト装置に接続されて一定の回転数で運転した場合、一定の風量となります。
圧力および軸動力は、温度に逆比例し、気体比重に比例して変化します。
温度と軸動力の関係を理解しておくことで送風機(ファン)の性能を正しく評価できるようになりますので、是非してみて下さい。